Sophos Firewall v20
Sophos Firewall v20
Sophos Firewall v20が2023年11月06日に発表されました。個人向けとしては、IPv6 DHCP Prefix Delegationのサポートがなされています。
主なエンハンスの内容
- IPv6 DHCP Prefix Delegation
- IPv6 BGPv6
- Synchronized Securityの強化
- VPN管理の強化
v20の詳細な説明はSophos Communityを参照してください。
https://community.sophos.com/sophos-xg-firewall/b/blog/posts/sophos-firewall-v20-is-now-available
リリースノートはこちらです
https://docs.sophos.com/releasenotes/index.html?productGroupID=nsg&productID=xg&versionID=20.0
Sophos Firewallのアップデート
XGの管理画面にログイン後、左ペインメニューのバックアップ&ファームウェアのファームウェアの確認でアップデートの案内が順次来ます。個別にバージョンアップのファイルを入手するには、以下のURLからダウンロードします。
https://support.sophos.com/support/s/article/KB-000043162?language=ja
- 上記画面でファームウェアのソフトウェアのLinkをクリックします。
- “SW-20.0.0_GA.SFW-222.sig”をダウンロードします。
- Sophos Firewallの管理画面にログインし、左ペインメニューのバックアップ&ファームウェアのファームウェアのタブメニューから以下の画面に赤丸で囲った矢印のアイコンをクリックし、ダウンロードしたモジュールをアップロードします。
ダウンロードしたファームウェアを指定します。
アップロード&再起動ボタンをクリックし、v20へのアップグレードを完了させます。
auひかりのIPv6 DHCP Prefix Delegation
ようやくIPv6のPrefix委任が使えるようになりました。これは日本だけではなく、世界のホームユーザーからしても待ち望んでいた対応です。これでSophos FirewallのIPv6での苦肉の策である、ULAからIPv6NATという方式から解放されます。ただ個人的には、私の利用しているauひかりの場合残念ながらPrefix Delegationが使えません。いや、正確には64ビットのサブネットが1つだけ割り振られるようではあるのですが、本来、Prefix Delegationは60ビットや56ビットなどの複数のサブネットを受け取り、個々のネットワークに割り当てることになりますから、1つだけあるというのは正規のDelegationという意味合いも少し違います。
とはいえ、auひかり以外のユーザーのために中身を確認していきます。
ネットワークの設定からWANを選び、モードは手動にしてDHCPプレフィックスの委任を選択します。
優先する委任プレフィックスはホームユーザーは固定IPで予め指定されたPrefixがあるわけでは無いので設定せずOFFのままで構いません。法人の場合など、固定IPv6を保有する場合、Prefixと委任されるレングスとを入力しますが、デフォルトでは空です。私の場合、4バイト目でauひかりから1を貰っていたので、16ビット分のサブネットが使えるかもしれないと試行錯誤で設定しましたが、その情報が消せずに残っています。続いて、LANの設定です。
ここでは、IPの割り当てに委任を選びます。続いて、アップストリームのインターフェースとして、WANであるPort2を選びます。
auひかりでは、ISP は、IPv6 プレフィックスを委任していませんと警告メッセージが表示されてしまいますが、NTT系などでは56ビットのPrefix委任が行われ設定が可能となるはずです。この中でLANに任意の64ビットのネットワークを割り当てることになります。
余談ですが、Sophos Firewallv20のEarly Accessプログラムで私は事前検証していたのですが、Sophos Firewallでは/48, /52, /56, そして /60がサポートされ、それ以外はサポートされないというSophos側からの回答でした。
実はEarly Accessのv20ではもう少し挙動が異なり、64ビットは受け取れていました。Sophosの話ではありませんが、Ubiquiti関係のコミュニティでもauひかりからIPv6のDHCPv6-PDは出来ない事もないという情報共有もあり64ビット1つは割り当て可能という事実は認識していました。
auひかりのWANのPrefixの4バイト目は”1”であり、LANのDelegationで確認したPrefix4バイト目は”2”でした。せめてサブネット1つだけでもIPv6 Delegationが出来ればと思いましたが、残念ながら製品版では、エラーチェックが強化された上で/64は排除されてしまいました。
いっそのこと気前よく/48くらい割り当てて貰えないかなと思いつつ、一応auひかりのサポート窓口にDHCPv6 Delegationに対応してほしいという要望は出しておきました。
アクティブな脅威対応
Firewallの左ペインメニューではアクティブな脅威対応というメニューがあります。
ここでは2種類の脅威対応があります。1つは名称変更でATP (Advanced Threat Protection) という旧機能がSophos X-Ops 脅威フィードに名称が変更されています。過去、ログを見ても殆どこのATPに関するログは見ることはありませんでした。
もう1つは、MDR脅威フィードという機能です。外部の MDR アナリストがネットワークの脅威フィードを特定し、自動的にファイアウォールにプッシュし、複数のファイアウォールモジュールが、これらのフィードに基づいてトラフィックをブロックするとのことです。
この2つの機能はログでもアクティブな脅威対応という項目で確認できます。
仮想環境(ESXi)上にFirewallをインストールされている方はアップグレードの前に、「VMware ESXiの仮想マシンをバックアップする」を参考に、バックアップを確保される事をお勧めします。