iPhoneに繋がるミニSSDケース

iPhone15のUSB-Cに繋がるミニSSDケースを紹介します。これは、M2-2230という小型のSSDが組み込めるケースです。iPhoneは破損防止のためにケースを使っていらっしゃる方が多いとは思いますが、ケースとUSB-C接続端子とが競合し、USB-C端子が本体に挿さりきらないという問題がありますが、このケースはやや長めの端子になっており、スマホケースを使う前提に作られているようです。

SDカードの速度

SDカードはちょっとしたデータの受け渡しに使え便利ですが速度という意味では少し取り残されてきた感があります。長期保存にも向きませんが、安価なのでOSのセットアップなどではまだまだ主流です。もっともSDカードは、ビデオカメラで動画を撮るのが主目的ですので、その速度とは常に動画の解像度と比較されることになります。

分かりやすい目安の表が SD Associationから提示されている以下の図になります。

Copyright © SD Association. All Rights Reserved.
https://www.sdcard.org/ja/developers-2/sd-standard-overview/speed-class/

フルHDの動画であれば、UHS-3を使えば一般的に問題無いというレベルです。4K動画となると、解像度に加え、フレームレートも大きく関わってきますから、少し留意が必要となってきます。

こういった一般用途に加え、機器の持つデータの移行やバックアップなどが通常の利用用途に必要な方は、少しSDカードでは物足りなくなり、データ量としてカバーできるポータブルHDDの出番になります。

M2.2230のSSDケース

PCで一般的に用いられるM.2-2280を使えば高速化でき便利ですが、これだと少し大きさとしてポケットに入るとまでは言いづらく、嵩張ります。M.2-2230という小さなSSDであれば随分小型化できます。今回それにぴったりのSSDケースを紹介します。

中国メーカーのITGZという会社の製品です。秋葉原のラジオデパートにあるテクノハウス東映に入荷したという情報から、10月ごろに店舗に足を運んだのですが、あっさり売り切れということでした。Amazonでも販売しているようですが、結局は中国からの発送なのか時間も掛かるようでしたので、いつものeBayで落札し、1ヶ月ほど待つことにしました。

ケースは金属製で、ヒートシンク代りにもなり、放熱しやすい仕組みになっています。放熱のサーマルパッドも2枚付属しています。
ケース付属のドライバーでケースを分解し、SSDを取り付けます。

  • SSDケース US$15.95(eBay 送料込み)

M.2 SSD

M.2 SSD自体もeBayで落札しました。WD SN740の1TBモデルです。

上記の写真はサーマルパッドをつけてSSDを組み込んだところです。もう1枚のサーマルパッドを付けると上蓋が閉まりきらなかったので付けないことにしました。もちろん、SSD側のシールを剥がして対応する事も出来なくはありませんが、よくシールを剥がしてミスって破損させるケースもあるようなので、原則はSSDのシールはそのままにします。WesternDigital社はこのシールを剥がすと保証対象外とするようですね。私の場合はeBay購入なのでそもそも保証はありませんが。。。

M.2 2230自体があまり普及していないようですがAmazonなら数社ほどメーカーのSSDは入手できます。10月にテクノハウス東映に訪問した際は、確かトランセンド社とMicron社を筆頭に、いくつかのメーカーのSSDが廉価に販売されていたと記憶しています。

Macbookでのベンチマーク

MacBookのAmorphousDiskMarkでベンチマークを計測してみます。

想定通り、シーケンシャルは8Gbps(980MB/s)程度と良い数値が出ています。SDインタフェースの90MB/sを大きく凌駕しています。10GbEのネットワークを持つNASに繋いだ時とほぼ同程度の速度です(ネットワークレイテンシが無いぶんランダムの書き込みはSSDが高速です)。

インターネット、NAS、ポータブルSSDと10Gbpsでそれぞれの速度差が無いと使い勝手が格段に良くなります。Wi-Fiも6Eで高速にはなりましたが、1.6Gbps程度でレイテンシも大きいので、大きなデータを扱う際は、PCなどをLANに繋ぎ直すという行為はまだ当面続きそうです。

なお、スマホケースに組み込まれたiPhoneに接続することを想定しているのか少しUSB-Cの端子が長めになっています。よって、MacBookなどに繋げた際は、少し本体とケースの間に隙間ができます。

発熱

高速な通信には発熱は避けられません。MacでDiskMarkを2回実行し、ケースの温度を測ったところ51度ありました。

51度は指でケースを触れてだいたい3秒程度我慢できるくらいでしょうか。

iPhoneでのProRes撮影

なお、iPhone15 ProでApple ProResエンコーディングでの動画撮影をしてみました。自動的にUSBCに動画を保存するようになります。一応、撮影/保存は出来るんですが、複数回、動画を撮影しようとするとiPhoneのカメラアプリが固まってしまいます。RTL9210チップとの相性なのか、再初期化(OSからのファイルのクローズ、再オープン)に無応答となるようですので、このケースではiOSのProRes撮影に正式に対応できていない可能性があります。30秒の4K/30FPSの撮影で3GB強の容量が消費されます。MacBookで再生するときちんと録画はされているようです。またiOSの”ファイル”アプリケーションでUSB-Cへのファイルのコピーも問題なく可能なことを確認しています。

また、この際のケース温度は46度でした。普通の人が普通に使うとしたら、この熱量に驚くでしょうが、高速通信に慣れている方であれば許容範囲なのでしょうか。

その他

最近、円安も少し落ち着いてきましたね。来年春くらいにはさらに円安が落ち着くことを期待したいところです。以前に「マルチカレンシー口座 WISE」の記事でマルチカレンシー口座について記事を書きました。ドル決済を利用される方はeBayの為替手数料抑制のためにWISEの利用を検討されることをお勧めします。売買の都度、円から外貨に自動で交換し決済を完了させることができ、カード会社の手数料やPayPalの手数料よりは廉価です。